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2006年8月 Archive

めかくしプレイ

  • Posted by: まさひこ
  • 2006年8月27日 09:30
  • 書評

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いや、エロい意味じゃなく。
 「100人のミュージシャンがレコードを聴いて発言!」と言う本でね。
 知らなかったんですけど、スタジオボイスやらミュージックマガジンに連載していたんだなあ。スタジオボイス時代はスタジオボイス的というかその読者ならすぐ分かるような人選だなあ。ミュージックマガジンになってから有名無名織り交ぜてだけど妥協はしていないなあと言う人選かな。

 結構めかくしプレイというのも面白いなあ。

 第1回の山本精一さんの話を読んだとき何か感想がが若いなあと思ったら9年前の話だったようで。オウテカのアルバムに「ウォーターメロン?、中西俊夫、違う?でも日本人じゃない?」とか山本精一さんに聞かせる音楽も、感想も若い。多分、当時に読んでても何だか分からなかっただろうなあ。9年の年月はよい具合に年を重ねているのかな。
 めかくしプレイだからジャケットを見せずに曲を聞かせるわけだけど、すぐに当ててしまう曲よりも、当てられない曲の方が面白い。曲を聴いて「吉祥寺か新宿。79年か80年頃の情景を思い出す。」とかその人の感覚でしか残っていない部分が読めるし。「イントロからスティールドラムか。細野さん絡みかな」とかやっぱり色々聴いてるんだなあとか、そういう聴き方になるんだとか。
 連想ゲームのように曲の音像がつかめるので、最近読んだレビュー本の中ではダントツで面白かったです。

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the SUN

  • Posted by: まさひこ
  • 2006年8月20日 14:32
  • 映画

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 18日。名古屋のシネマスコーレでのメインプログラムの最終日。1回目も2回目も立ち見の状態。100人程度の小さな映画館だけど立ち見が続くのだからすごい。

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 漆黒のパンフレットの表紙に深緋に近い赤の帯があり金箔型押しをイメージした「The SUN」のタイトルが書かれている。表紙を一枚めくると裏面に「彼はあらゆる屈辱を引き受け、苦々しい治療薬をすべて飲み込むことを選んだのだ。」というアレクサンドル・ソクローフ監督の言葉があり、渋紙色をした和紙をイメージした内表紙には水墨画の桜。その中心に漆黒の題字の「太陽」と力強く書かれている。
 重く落ち着いた色調に力強さと美しさを感じる。
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 映画は気品のある防空壕でのたった一人の質素な朝食風景で始まる。質素ではあるけどもそれは高貴な人の食事ということがわかる。それが1945年の8月だからだ。20世紀の独裁者を描くソクローフの4部作の3作目という目で見ればこの人はいったい何なのだと思うに違いない。主人は侍従の言葉に「あっ、そう」と心あらずのような言葉を返し、軍人の集まる会議では和歌で心を語り、研究所では白衣をまといカニなどの海洋生物に心をはせる様は現実の時間と違う世界にいる人のよう。
 まるで非現実的な世界だけれども、僕らには本当にそうだったかもしれないと思わせる。何しろ主人公は実在した人物で「あっ、そう」という語り方はよく聞いたことばだったから。
 鳥が泳ぐような怪物的なB29や魚が降り注ぐような爆弾や黒い炎は非現実だし、転寝からさめると戦後になっているような映像表現は演劇的であり一人芝居のよう。
 しかし、非現実的な世界と人物を演じておりながら、時代考証と人物観察が完璧なためリアリティがあり現実的である。だからより、彼に関心が行くし好きになっていく。そして、この話は事実なのかも知れないと思えてしまう。
 セピア色した質素な一室と中年男性の映像にもかかわらず素敵に見えてしまうのは彼が高貴だからかもしれない。それは監督の意図するところかもしれない。素敵な映像美だった。

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